『焙煎って、その人だけの〝唯一無二の技術〟なんだよ』

そんな風に、うららさんが教えてくれました。

カフェなおきちの焙煎は、他のお店とちょっと違う、変わった特徴があります。

そのひとつが、『南部鉄の鉄瓶を使った焙煎』。

どうして鉄瓶なんだろう？？

何か理由があるのかなぁ？？

そんな疑問をうららさんにぶつけてみたら、教えてくれました。あの鉄瓶は、うららさんがお母さんから譲り受けたものなんですって。

うららさんは、体質的に貧血気味で、そんな体調を気遣った母から、〝これ（南部鉄）でお湯を沸かして飲んで〟と譲り受けたのだそう。

確かに調べてみると、南部鉄は鉄分補給にピッタリなよう。

へぇえ、知らなかった！と驚き。

たしかに……南部鉄の鉄瓶で沸かしたお湯を飲むだけで鉄分が取れるなら、焙煎に使った場合は、コーヒー豆から鉄分が取れそうな気がします。

そうそう、焙煎したコーヒーは、キラキラしてるのを知っていますか？

実は焙煎前の珈琲豆は黄緑色で、マットな質感なんですよ。

焙煎後の珈琲豆は、コーヒー豆の油分でテカテカと光沢があるんです。

コーヒーの表面の油分があれば、南部鉄の鉄分も取れそうですよね！

焙煎の工程では、【チャフ】と呼ばれるコーヒー豆の薄皮が舞います。

コレをおうちでやってしまうと、あとで掃除が大変になってしまうそう。

そこで、譲り受けた鉄瓶を使って焙煎をすると、チャフが舞いにくく、使い勝手が良かったのです。

……なるほど、そうして出来たのが、カフェ田無なおきちで印象的な、『南部鉄での焙煎』だったんですね。

南部鉄器はとっても可愛いし、南部鉄器で焙煎するコーヒーなんて贅沢！と思っていたんですが、まさかそんな理由があったとは……。初めて知る事実に、感心してしまいました！

『焙煎って、その人だけの〝唯一無二の技術〟なんだよ』

いつものように、気さくな雰囲気でおしゃべりしてくれるうららさん。なんだか憧れちゃいます。

私にも、〝唯一無二の焙煎技術〟身に付くかなぁ？

ゆったり過ごす おうち時間に、これは是非とも挑戦してみたい……！！！

内心、コッソリと闘志（？）を燃やす、スタッフ⚡（オバッチ）でした。